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【司法書士が解説】相続人が香港在住の日本語が話せないイギリス人だったケース|解決事例

2024.09.15

1. お客様のご状況

Aさんが亡くなりました。Aさんは日本人ですが、イギリス人夫のBさんと国際結婚をして香港で暮らしていました。

相続人はBさんと、未成年の長女Cさんです。

AさんはBさんと共有で日本の不動産を所有しており、Bさんは売却を希望していました。

売却する前提として相続登記を行う必要がありますが、イギリス人のBさんはまったく日本語がわからず、どのように手続きを進めたらよいかわからず、Aさんの親族の方のご紹介で当事務所にご相談に来られました。

【被相続人=亡くなった方】

・Aさん(日本人)

【相続人】

・Bさん(夫・イギリス人)
・Cさん(長女・日本人・未成年者)

【財産状況】

・日本の不動産(Aさん・Bさん共有)

2. 当事務所からの提案&お手伝い

本人が亡くなり、相続人が外国人である場合、日本の民法に従い相続手続きを行うことになります。

今回のケースでは、Aさんの相続人であるBさん、Cさんで遺産分割協議を行う必要がありますが、Cさんが未成年者であったため、Cさんの特別代理人選任申立てを行う必要があります。

その後、遺産分割協議を行い、相続登記申請をすることとなりますが、相続人の戸籍謄本や印鑑証明書を添付する必要があるところ、海外在住の外国人であるBさんは戸籍謄本や印鑑証明書を取得することができません。

日本語がわからない相続人Bさんが手続きを行うことは困難であったため、当事務所で必要な書類の手配、家庭裁判所への特別代理人選任申立、遺産分割協議書作成、翻訳、相続登記申請、その後売却支援まですべてお任せいただくこととなりました。

当事務所では、下記のサポートを行いました。

① 戸籍謄本等の収集
② 家庭裁判所に特別代理人選任申立
③ 法務局との事前協議
④ 翻訳・通訳の手配
⑤ 相続登記申請
⑥ 不動産業者のご紹介

3. 結果

まずは被相続人の戸籍謄本等の収集を行い、遺産分割協議を行うにあたり家庭裁判所に未成年者の特別代理人選任申立を行いました。

遺産分割協議を行うために特別代理人選任申立の際は、原則として未成年者の法定相続分を確保する遺産分割協議案を家庭裁判所に提出します。

ところが本件の場合、未成年者Cさんはまだかなり幼く、これから多額の養育費がかかることが予定されていました。

スムーズに相続財産である不動産を売却し、Cさんの養育費にあてたいとのBさんの希望があったため、裁判所には不動産の名義は単独で夫Bさん名義にすること、その理由について詳細な資料を提出し、無事裁判所の審判が下りました。

外国人であるBさんの戸籍謄本、印鑑証明書に代わる書類については、法務局と事前協議を行い、居住国である香港の大使館で認証した宣誓供述書を添付して、相続登記申請を行いました。

日本語が話せない外国人が相続人であるケースでは、通常と異なる手続きが必要となり、提出する書類の英文、翻訳分を用意したりと非常に手間がかかります。日本語がわからない相続人には相当な負担かと思います。

当事務所は日本語がわからない相続人の手続きでも、翻訳・通訳担当者と協力して手続きを進めることが可能です。お困りの方は是非ご相談ください。

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この記事の執筆者
司法書士法人スターディオ 代表司法書士 保坂真世
保有資格司法書士(神奈川県司法書士会:登録番号 1592)
専門分野相続・ 中小企業法務・不動産売買
経歴平成21年:司法書士試験合格/平成26年:独立
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