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【司法書士が解説】遺言書原本を紛失し、見つからない場合の相続登記|解決事例

2024.09.15

1. ご相談の背景(相続登記の漏れと遺言書原本の紛失)

数年前に亡くなったお母様(Aさん)は、生前に「夫であるBさんに全財産を相続させる」という内容の自筆証書遺言を作成しており、当時Bさんはその遺言書に基づいて相続登記を済ませていました。

その後、お父様(Bさん)も亡くなり、Bさんの相続人である長男Cさんと次男Dさんが遺産整理を進めていたところ、Aさん名義のままになっている不動産(相続登記の漏れ)が発見されました。

関係者の状況

被相続人(亡くなった方) Aさん(数年前に他界)
ご相談者様(現在の相続人) 長男Cさん、次男Dさん(※夫Bさんも既に他界)
判明したトラブル Aさん名義の不動産の発覚、およびAさんの自筆証書遺言の「原本紛失」

漏れていた不動産の名義変更を行うため、CさんとDさんはAさんが残した遺言書を探しましたが、どうしても原本が見つかりませんでした。

⚠ 注意:自筆証書遺言の「原本紛失」がもたらすリスク

遺言による相続登記を行う場合、原則として「遺言書の原本」を法務局へ提出しなければなりません。
公証役場で作成する「公正証書遺言」であれば、原本が公証役場に保管されているため再発行(謄本の交付)が可能ですが、「自筆証書遺言」はこの世に一つしか存在しません。もし原本を紛失して提出できない場合、原則として当時の相続人(またはその代襲者)全員で「遺産分割協議」を一からやり直す必要が生じ、手続きが極めて困難になる恐れがあります。

参考:裁判所「遺言書の検認」

2. 当事務所からのご提案と手続きの進め方

本来であれば遺産分割協議が必要となる困難な状況でしたが、当事務所でお調べしたところ、Aさんが亡くなった当時、家庭裁判所にてAさんの自筆証書遺言の「検認手続き」が正しく行われていたことが判明しました。

そこで、当事務所では以下のような手順で、原本提出の代わりとなる解決策を実行しました。

遺言書を紛失した状態での相続登記STEP

STEP 1 戸籍謄本等の収集と事実確認

Aさん、Bさんの出生から死亡までの戸籍謄本等を収集し、相続関係を正確に確定させました。

STEP 2 法務局との事前協議

遺言書原本を紛失している事情を管轄の法務局に説明。家庭裁判所で作成された「検認期日調書」を原本の代替書類として取り扱うことができないか、入念な事前協議を行いました。

STEP 3 代替書類による相続登記の申請

協議の結果、承認を得ることができたため、「検認期日調書」を添付して相続登記(名義変更)を申請しました。

3. 結果:無事に登記完了。紛失リスクを防ぐために

法務局との事前協議を丁寧に行った結果、遺言書の原本の代わりに「検認期日調書」を提出することで、無事に漏れていた不動産の相続登記を完了させることができました。

自筆証書遺言の原本が見つからない場合でも、過去に家庭裁判所での「検認」が行われていれば、今回のように相続登記の申請が認められるケースがあります。諦めてしまう前に、まずは相続の専門家である司法書士にご相談ください。

専門家からのアドバイス:遺言書は「公正証書」がお勧めです

今回のケースのように、自筆証書遺言には「紛失」という大きなリスクが伴います。また、発見者による改ざんや破棄の恐れ、形式不備で無効になってしまう危険性もあります。
そのため当事務所では、より確実で安全な「公正証書による遺言書作成」を強く推奨しております。公証役場で原本が厳重に保管されるため、紛失の心配がなく、相続発生時の「検認手続き」も不要となるため、残されたご家族の負担を大幅に軽減できます。

当事務所では、相続手続きの代行はもちろん、将来に向けた遺言書の作成サポートと相続登記のサポートを承っております。お悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者
司法書士法人スターディオ 代表司法書士 保坂真世
保有資格司法書士(神奈川県司法書士会:登録番号 1592)
専門分野相続・ 中小企業法務・不動産売買
経歴平成21年:司法書士試験合格/平成26年:独立
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