【司法書士が解説】会社代表者の急逝に伴う代表取締役変更登記と相続手続き|解決事例
1. お客様のご状況
Aさんのお父様Bさんは、会社の代表取締役であり、かつ株主でもありました。ところが突然のご逝去により、会社が代表取締役不在の状況となり、早急に後任の代表取締役を選定する必要がありました。
亡Bさんの財産は、自社株のほかに様々な財産があり、各財産について手続きを進める必要があります。まだ相続が発生したばかりのタイミングで遺産の配分が決まるまでに数か月時間がかかる見込みでしたが、取引銀行や取引先との関係維持のため、速やかに次期代表取締役を選定し、登記変更を行う必要がありました。
【被相続人=亡くなった方】
・Bさん
【相続人】
Aさん(長男)、Cさん(母)
2. 当事務所からの提案&お手伝い
当事務所では次のように手続きを整理しました。
1.代表取締役変更登記を最優先に実施
代表取締役不在の状況ではあらゆる業務の継続が困難です。まずは会社運営に支障が出ないよう、早急に株主総会を開催し、次期代表取締役としてAさんを選定。取引銀行等への届出ができるよう、代表取締役変更登記を速やかに行いました。
2.株式については権利行使者を指定
遺産分割協議が未了で自社株の相続人が未定であったため、相続人の間で話し合い、株主としての議決権等を行使する「権利行使者」を指定しました。これにより、会社の意思決定を円滑に進めることが可能となりました。
3.その他の財産の相続手続き
不動産、預金、車両等の相続手続きについては、代表取締役変更登記完了後に順次対応。相続人全員が協力する形で手続きを進めました。
当事務所では下記のサポートを行いました。
1. 戸籍謄本等の確認
2. 自社株についての権利行使者の確認
3. 株主総会議事録等会社変更登記用書類作成
4. 会社代表取締役変更登記申請
5. 遺産分割協議書作成
6. 相続登記申請
3. 結果
株式について相続人全員で話し合い、Aさんを権利行使者を定めることで、遺産分割協議がまとまる前でも会社運営が滞りなく行える体制を確保できました。会社は代表者不在の状態から早期に脱し、取引銀行や取引先との取引を継続することができました。
4.司法書士からひとこと
相続が発生した場合、株式は相続人全員の共有状態となります(民法898条)。つまり相続発生から遺産分割協議成立までの間は相続人全員で株式を共有していることになります。
遺産分割協議が成立するまでの間に議決権を行使する必要がある場合は、会社法106条により、相続人は「株式に関する権利を行使する者(権利行使者)」を共同で定め、会社に通知することで、議決権の行使が可能になります。
代表取締役が死亡した場合には、相続手続きだけでなく会社の登記・株主権の扱いなど、複数の手続きを同時並行で迅速に進めなければなりません。特にオーナー経営の中小企業では事業継続に直結する問題ですので、早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。
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