相続が発生したらNISA口座はどうなる?|相続に強い司法書士が解説
「老後資金のためにNISA口座で運用していたのに、突然の相続で手続きが必要になった」
「NISA口座って相続税の対象になるの?」
NISA口座は、非課税で投資できる制度として人気ですが、相続が発生した場合、いくつか注意しておきたい点があります。
この記事では、NISA口座の相続手続きについて、司法書士の観点から詳しく解説します。
NISA口座とは
NISA(少額投資非課税制度)は、通常20.3%かかる投資の利益や配当金等が非課税になる制度です。
通常NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があり、2種類の併用も可能です。
投資枠 |
年間投資上限額 |
特徴 |
つみたて投資枠 |
120万円 |
毎月コツコツ積み立てたい方におすすめ |
成長投資枠 |
240万円 |
年間上限額内で株式や投資信託など幅広い商品に投資したい方におすすめ |
非課税保有期間は、つみたて投資枠・成長投資枠ともに無期限です。
相続が発生した場合、NISA口座はどうなる?
NISA口座の所有者が亡くなった場合、そのNISA口座は廃止されます。
相続人は、被相続人のNISA口座で保有していた金融商品を、
- 課税口座(一般口座または特定口座)に移管する
- 金融機関に買い取ってもらう
のいずれかの方法で引き継ぐことになります。
課税口座に移管する場合
金融商品を相続人の課税口座に移管する場合、相続時の時価で取得したものとみなされます。
例えば、被相続人が100万円で購入した金融商品が、相続開始時に120万円に値上がりしていた場合、相続人は120万円でその金融商品を取得したことになります。
その後、相続人がその金融商品を売却した場合、120万円を超えた部分が課税対象となります。
金融機関に買い取ってもらう場合
金融機関に買い取ってもらう場合も、相続時の時価で買い取ってもらうことになります。
この場合、売却益は相続人の口座に入金されます。
NISA口座の相続手続きの流れ
NISA口座の相続手続きは、以下の流れで進めます。
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金融機関への連絡
被相続人が利用していた金融機関に連絡し、相続が発生したことを伝えます。
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必要書類の提出
金融機関から指示された必要書類(戸籍謄本、遺産分割協議書など)を提出します。
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口座の廃止手続き
金融機関でNISA口座の廃止手続きを行います。
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金融商品の移管または買取
相続人は、金融商品を課税口座に移管するか、金融機関に買い取ってもらうかを選択します。
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相続税の申告
相続税の申告が必要な場合は、税理士などに相談し、適切な手続きを行いましょう。
相続時の注意点
NISA口座の相続手続きには、以下の点に注意が必要です。
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非課税投資枠の扱い
NISA口座は、1人1口座しか開設できません。 相続人がすでにNISA口座を持っている場合、被相続人のNISA口座を引き継ぐことはできません。
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相続税の課税対象
NISA口座で保有していた金融商品は、相続税の課税対象となります。 ただし、相続時の時価で評価されるため、含み益に対して相続税がかかるわけではありません。
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手続き期限
金融機関によって手続き期限が異なります。 早めに金融機関に連絡し、指示に従って手続きを進めましょう。
相続後のNISA口座の活用方法
相続したNISA口座は廃止されますが、相続人は自身でNISA口座を開設し、非課税投資を続けることができます。
2024年からは新NISA制度が始まり、非課税投資枠が拡大されました。
投資枠 | 年間投資上限額 |
---|---|
つみたて投資枠 | 120万円 |
成長投資枠 | 240万円 |
新NISAを活用することで、より多くの資金を非課税で運用することができます。
まとめ
NISA口座の相続手続きは、煩雑で分かりにくい点も多いかと思います。
ご自身で手続きを行うのが難しい場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
専門家は、手続きの代行だけでなく、相続税や遺産分割に関するアドバイスも行ってくれます。
当事務所では、NISA口座の相続手続きに関するご相談を承っております。
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