自筆の遺言書に「不動産を遺贈する」と書かれていたケース
1. お客様のご状況
神奈川県在住の70代女性、Aさんからのご相談でした。
Aさんの長兄が亡くなりました。Aさんの長兄には子供がおらず、奥様は先に亡くなられていました。
そのため、Aさんは長兄から、相続が発生した際には相続財産を管理してほしいと、自筆の遺言書を託されていました。
生前に口頭で遺言書の内容を聞いていたものの、遺言書は封がされており、中身を確認できません。勝手に開封してはいけないと聞いて、当事務所にご相談に来られました。
【被相続人=亡くなった方】
・Aさんの長兄
【相続人】
・Aさんの兄弟(10人兄弟)
【財産状況】
・長兄名義の建物
・預貯金
・遊休地(草が生い茂っている山林)
2. 当事務所からの提案&お手伝い
自筆の遺言書は、家庭裁判所で相続人の立会の下開封する必要があります。まずは家庭裁判所に遺言書の検認申立てを行う必要がある旨ご説明しました。
検認申立てにあたって戸籍謄本等を収集する必要がありますが、10人兄弟の相続で膨大な戸籍の量になることが想定されたため、書類収集から家庭裁判所への申立て手続きまですべてお任せいただくことをご提案しました。
いざ遺言書を開封すると、遺言書には、「Aさんに全財産を遺贈する」と書かれていました。この遺言書の書き方ですと、単純な相続登記手続きができず、相続人全員の協力の下、財産をAさんの名義に変更するか、遺言執行者を家庭裁判所に選任してもらう必要がありました。
相続人は全国各地に散らばっており、協力を得ることが大変なことから、Aさん自身を遺言執行者に選任してもらうよう家庭裁判所に申立てを行うことをご提案しました。
当事務所では、下記のサポートを行いました。
① 戸籍謄本等必要書類の収集
② 家庭裁判所に遺言書の検認申立
③ 家庭裁判所に遺言執行者の選任申立
④ 不動産の名義をA様に変更(相続登記)
3. 結果
ご依頼いただいてから約4か月で、すべての手続きを完了させることができました。
相続人の人数が多く、当事務所で取得した戸籍の通数は約50通、郵送請求回数20回と、書類の収集だけでも大変な作業でしたので、すべて任せて本当によかったと喜んでいただけました。
いざ遺言書を開封してみると一筋縄ではいかない「遺贈」の手続きとなりましたが、家庭裁判所への申立手続きをお任せいただきスムーズに手続きが進みました。
遺言書の検認では裁判所に出頭しなければならず、ご不安な様子でしたが、当事務所スタッフが裁判所まで付き添い、ご安心していただけたようです。スピーディーに適切なサポートができた事案でした。
当事務所では相続の相談は無料で承っております
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