【司法書士が解説】死亡した役員への退職慰労金の支給として不動産の登記を行ったケース|解決事例
1. ご相談の背景(お客様のご状況)
B株式会社の担当者様より、「在職中に亡くなった取締役(Aさん)の長年の功績に報いるため、会社所有の土地を『退職慰労金』としてご遺族(相続人)に支給したい」というご相談をいただきました。
通常の金銭による支給ではなく、不動産による支給であること、また具体的な手続き方法について不安があるとのことで、当事務所へお問い合わせいただきました。
関係者の状況
| ご相談者様 | B株式会社の担当者様 |
|---|---|
| 被相続人(亡くなった方) | Aさん(B株式会社の元取締役) |
| 法定相続人 | Cさん(妻)、Dさん(長女)、Eさん(二女) |
2. 当事務所からのご提案とサポート内容
会社から遺族へ退職慰労金を支給する場合、会社の規定(退職金規定など)の有無や内容によって、法的な取り扱いが大きく異なります。
⚠ 規定がない場合の取り扱いの難しさ
今回、B株式会社様の規定を確認したところ、支給に関する明確な定めがありませんでした。規定がない場合、支給される退職慰労金が「遺産分割の対象となる相続財産」に含まれるのか、それとも「特定の遺族の固有の権利」となるのかで見解が分かれることがあり、登記手続き上も慎重な判断が求められます。
そこで当事務所では、法的なリスクを回避し、確実な名義変更を行うため、以下のような手順でサポートを進めることをご提案しました。
当事務所のサポート手順
Aさんの出生から死亡までの戸籍謄本等を収集し、法定相続人がCさん、Dさん、Eさんであることを確定させ、「相続関係説明図」を作成しました。
規定がないため、相続人全員で協議を行い「誰が退職慰労金(土地)を取得するか」を取り決め、その内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成しました。
通常の相続登記とは異なる原因(退職慰労金の給付)での登記となるため、申請が却下されないよう事前に管轄の法務局と協議した上で、登記申請を行いました。
3. 結果:会社の相続に関する手続きは専門家へご相談!
相続人様同士での協議の結果、今回は妻であるCさんが土地を取得することで合意されました。
当事務所にて、法務局との事前調整を経て、「退職慰労金の給付」を登記原因とする、B株式会社からCさん名義への所有権移転登記を申請し、無事に手続きを完了させることができました。
法人・会社の相続手続きに関する注意点
本事例のように、会社が所有する不動産を退職金として支給する場合や、役員死亡に伴う会社と遺族間のやり取り、あるいは自社株式の相続など、会社が関わる相続手続きは法務的にも税務的にも非常に複雑になります。
自己判断で進めると、後から登記が通らない、あるいは思わぬ税金がかかるといったトラブルになりかねません。登記の進め方や必要書類については、早い段階で司法書士などの専門家にご相談いただくことを強くお勧めいたします。
当事務所では横浜・平塚を中心に相続・遺言・生前対策の無料相談を承っております。
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